●刺繍(ししゅう)とは?
種々の糸を用いて、布地にパターンや図柄、文字などを縫い表すことや、その結果できあがる装飾的な作品を言います。人の手で行う手刺繍と、機械を使用する機械刺繍、剣山状の針を使って布に糸を埋め込むパンチニードルなどもあります。
●クロスステッチとは?
クロスステッチの名称通り、図案の色指定に従って、布に××の模様を刺していく刺繍技法のひとつです。図案がマス目状に表現されるため、図案通りの形に刺すことが比較的簡単にできます。そのため、初心者や子供にも取っつきやすく、また単純ですが奥の深い世界に、一度はまってしまったら抜け出せなくなる方も多いようです。本場、欧米のものは布目も細かく、図案も可愛らしいものから大作まで、そのバラエティの多さには驚くほどです。模様と色彩の芸術品クロスステッチ…、こつこつ作り上げていく楽しみを味わってみませんか?
【カウンテッド・クロスステッチ】
一般的に「クロスステッチ」といわれていいるのは、この技法です。無地で穴の開いた刺しゅう布にチャート(図案)の記号を見ながら刺します。布目が細かくなるほど難しいですが、繊細で絵画のような美しい仕上がりとなります。※キットにより、薄い地模様やグラデーションが印刷された布に刺す場合もあります。
●クロスステッチはどこで生まれたの?
クロスステッチはビザンチン帝国時代のトルコで生まれ、その後、イタリアからヨーロッパの北西部全体に伝わり広く親しまれてきました。日本に伝えられたのは明治の末ごろではないかと言われています。時代や地域を経て、模様や色彩にさまざまな特色を持ちながら発展し、現在のような多様なバリエーションを生むようになりました。
●刺繍が全く初めてで、何から始めればよいのかわからないのですが…?
国産メーカーのコスモやオリムパスなどのジャバクロス11カウント程度の目の粗い布のキットから始めてみてください。まずは国産のキットを1つ製作して、図案の読み方などに慣れてから海外物に取り組まれるとよいと思います。
●刺すのにどれぐらいの時間がかかるの?
刺しゅうキットを利用すれば、布に図案を写す作業が省けます。手にしたら直ぐに刺繍できますが、ぴったりの季節に飾りたい時は、作る作品の大きさや種類などにもよりますが、1〜2か月ぐらい早めに制作に取りかかることをおすすめします。
●刺しゅうするにはどんな布を使用するの?
基本的にどのような布地にも刺すことができますが、一般的には、縦と横の織り目の間隔が同じになっている布地を使用します。 これらの布地はジャバクロス、アイーダ、刺繍用リネンなどと呼ばれています。
【ジャバクロス・アイーダ】
縦横の織り目の間を一定間隔であけることにより、点状の隙間が布地全体に格子状にあくように織った布地です。この点状の隙間に針を通す事により一定の大きさのステッチを刺すことができ、また縦横が正しく直角な図案になります。また、織り目の間隔が同じなので1つ1つのステッチが正方形になります。
【刺しゅう用リネン】
粗めに織ったリネン生地です。織り目の隙間が大きいため、ジャバクロスと同じように使用することができます。
【抜きキャンパス】
上記以外の布にステッチをする場合、抜きキャンパス(ゆるく織った布)を使用してステッチします。使い方は、刺しゅうの図案より大きめに抜きキャンパスを切り、刺しゅうしたい生地に針や糸などでとめつけます。抜きキャンパスの織り目を頼りに刺しゅうし、刺し終わったら抜きキャンパスの縦糸、横糸を引き抜きます。こうすることで、刺繍のみが生地の上に残ることになります。
●クロスステッチ針とフランス針は違うの?
刺しゅう糸の針は大きめにあいているのが特徴ですが、先のとがったフランス針と、先が丸いクロス針が最もよく使われます。クロスステッチは、布の織り目の穴に針を通すため、先のとがった針を使用する必要がありません。そのため、クロスステッチ用の針は先端が丸くなっています。
●何号針を使えばいいの?
クロス針:24号…1〜2本どり、20号…6〜10本どり、16号…12〜18本どり
フランス針:5号…1〜2本どり、4号…3〜4本どり、2号…6〜8本どり
●刺しゅう糸の扱い方は?
25番の糸は一束で8mの長さがあるので、最初に8等分に切っておくと扱いが楽です。使用するときは、細い糸を1本ずつ抜き取って使用本数分だけ合わせて使います。
●刺しゅう枠は必要ですか?
布を枠にはめた方が布が張って刺しやすくなります。円形のものが一般的で、いろいろな大きさがありますが、直径10〜12cmの枠が使いやすいと思います。
●刺し始めと刺し終わりの糸の始末は?
刺し始め、刺し終わりとも、玉結びは作りません。糸の始末の一例としては、刺し始めは布の裏に糸を7〜8cm残して、ステッチをはじめます。ステッチができたら裏に糸を出し、最後の針目の糸をすくい、同じように4〜5回針目をくぐらせてから糸を切ります。最初に残した糸にも針を通して、刺し終わりと同じように針目に糸をくぐらせてから糸を切ります。
●クロスステッチの他に、どんな刺しゅうがあるの?
【フランス刺繍】
ヨーロッパに古くから伝わるフランス刺繍は、木綿の布に木綿の色糸を使って刺していきます。装飾性と実用性に富んだフランス刺繍は、独特の技巧をこらしたステッチが多種(約100種類以上・サテン、フレンチノット、アウトラインなど)あります。ステッチの名称は形から連想してつけられたものが最も多く、国名、土地名にちなんでつけられた名称もあります。
【リボン刺繍】
18〜19世紀の西欧、華やかにまとった貴婦人の衣装には、美しいリボン刺しゅうが施されていました。イタリアのボローニア地方に始まったリボンの歴史は、その後フランスに中心を移し、いろいろな種類のリボンが生産されてきました。ステッチの針運びは刺しゅう糸と同じですが、幅があるので、引き加減に注意して刺します。刺繍糸よりも立体感をだす事ができます。
【ニードルポイント】
キャンバス布と細めの毛糸(ウール)を使用して、ハーフステッチで刺す技法です。布地を覆うように全面に刺すので仕上りにボリューム感があり、タペストリー・クッション・家具などの装飾に使用されることが多いです。同じ図案でもクロスステッチキットと比較すると価格が約1.5〜2倍高値となります。
【ビーズ刺繍】
刺し方はフランス刺しゅうと同じですが、ビーズやスパングルを使うため豪華な見栄えのする刺繍です。
【日本刺繍】
主に着物や帯などに施されている刺繍で、絹の布に絹の糸で刺していく繊細で根気のいる手仕事です。何十種類という刺し方(平繍・刺繍・相良繍など)がありますが、台に張った水平の生地に刺していくのが特徴です。京都で作られる日本刺繍を京繍、江戸(東京)で作られる日本刺繍を江戸刺繍、金沢で作られる日本刺繍を加賀刺繍と言い、その中で京繍は日本伝統工芸として認定されています。
【東京文化刺繍】
下絵のある布地を木枠に張り、何種類もの色リリアンを解いた糸を、専用の特殊な針を用いて刺していきます。表面一方からのみ針を刺し、糸を表にたわます手法で、ジャガード織の風合いに仕上がります。
【刺し子】
もともとは、木綿地の補強、保温を目的としたステッチが始まりとされています。機能以上に伝統的な幾何学模様等の美しさもあります。藍色の木綿布に木綿白糸で刺すのが定番です。
【スモック刺繍】
スモッキングはスモック(smock)とも呼ばれ、布地にひだを寄せた折り山に刺す刺繍です。薄手の木綿からウールまで、無地・水玉・縞・格子などを用います。
●額装はどうしたらいいの?
作品が完成したら、手汗やヨゴレなどを洗剤を使って丁寧に優しく洗って落とします。生乾きの状態で、作品の裏側からあて布をしてアイロンをかけておき、その後、仕立てます。額装はオーダーするか、既製品に作品をはめ込むかのどちらかです。シュゲールでは、額装のオーダーは承っておりませんので、申し訳ございませんが額屋さんで別途ご注文ください。